ココロラボではオットー・シャーマーのU理論に基づく3つの分断を克服するプロジェクトを共創造しています。ココロラボでは、ココロラボ独自のサービス、他団体への野田の関わり、新しいイニシアチブの野田による創造を通じて、野田が実践的にあるべき外界との相互作用を行い、新たなプロジェクトを作り出しています。ここでは、自らがシステムに関わることによってしか、システムを知る、そして変えることは出来ないというオットー・シャーマーの理論に基づく実践行動でココロラボ(=野田浩平)が実際に実行した精神・社会・環境領域のプロジェクトをご紹介します。

 

GAIA
GAIAジャーニー日本語版は2020年3月英語版に参加していた野田のプレゼンシングインスティテュート本部への連絡と、日本チームのコアメンバーへの連絡で創造されていきました。Ulab2xの2年目に参加していた野田は2020年3月にGAIAJourneyの第1回放送に参加した時の衝撃をまだ鮮明に覚えています。
当時は日本とフィリピンの飛行機はどんどん欠航になり、武漢ではロックダウンが起こり、日本の仕事もどんどんキャンセルとなり、フィリピンに研修で来ていた日本の同僚も急いで帰国しました。フィリピンがロックダウンになるのはその1、2ヶ月後。フィリピンの英語学校2校が休校になるのもその時でした。3月は米国NY市が大変な時期で、その最中、NYからGAIAジャーニーのホストのアントワネット・クラツキー第1回のGAIAジャーニーをオットー・シャーマーとスタートしました。たった2週間前にこのコロナ禍に何かをせねばならないと企画会議を持ってからでした。野田はその場を目撃し、世界のニュースも毎日のように聴き、知る立場にあったので、即座に日本の仲間にも連絡を取り、日本語版を日本の仲間に提供しないかと提案しました。直ぐにチームが組成され、2ヶ月遅れの5月ゴールデンウィークに、3月下旬から隔週で始まっていた世界中のコロナ禍の危機に心理的に対応するGAIAジャーニープログラムが日本語版で提供開始されました。5月には毎回100名以上の参加者が参加する3連休のセミナー、6月にはオットー・シャーマー博士を招いての300名級のオンラインセミナーをコロナ禍で実現しました。
GAIAジャーニーの熱は2020年を終了しても続き、2021年の6月のプレゼンシングインスティテュートのグローバルフォーラムまで続きました。
https://www.presencing.org/gaia

 

Ulab2x:
Ulab 2xは2019年からPresencing Instituteが立ち上げたグループで社会変革を起こすためのオンラインイニシアチブです。2019年は日本からはどのグループも参加していなかったので、フィリピンで紹介を受けた野田は日本のU理論オンラインコミュニティに紹介すると同時に自身が参加し、教育のプロジェクトを立ち上げた。フィリピンマニラで私立学校を経営するメンバー、ネグロス島ドゥマゲテで体験学習型の英語学校を経営する野田、他マニラで公立学校のカリキュラムを検討するメンバーたちと半年間プロジェクトを推進し、半年後のフィリピンUlab2x修了に合わせたフォーラムではOtto Scharmerを招き、日本からも9名の参加者を招き、成功裏にプロジェクトは終了した。2020年は2019年にマニラに来てくれた日本人たちとSDGsラーニングジャーニープロジェクトとして2年目の継続の教育プロジェクトをスタートしていたがその最中、新型コロナウィルスが発見され、ロックダウンに至る。そしてGAIAジャーニーがスタートした。

GCI(Game Changer Intensive):
Game Changer Intensiveはアメリカ西海岸のNPO Pachamama Allianceが提供する精神的充足、社会的公平、環境的持続可能性に対するシステム改変のアクションを作り出す活動家養成のオンラインプログラムです。Presencing Instituteの提供するU理論のオンラインプログラムUlabと同様、現代社会の課題に挑戦するカルチュラルクリエイティブ層の課題意識とマッチしたプログラムになっています。野田は90年代から鬱の研究、00年代からMITとも連携していた東京工業大学でe-learningを取り入れた教育プログラムなどの大規模知識資源の
研究にも関わっていたため、GCI日本版の運営にも携わっています。野田は、U理論を用いたワークショップやトレーニングをフィリピンの英語学校やセブ島で実施していましたのでGame Changer Intensiveコースにも参加し、特に2020年のコロナ禍で英語学校の事業が止まった時期に、GAIA Journeyと同様日本のGCIコースが即応してこの未曾有の現実を受け止められないかと模索しました。残念ながら即応はできませんでしたが2020年の運営スタッフが抜けるのと同じタイミングで逆に日本版の運営メンバーに加入し、9月期の開催からホールドしています。
英語版GCI紹介ページ:https://landing.pachamama.org/game-changer-intensive-8-week-online-course
日本語版GCI紹介ページ:https://gci-japan.com/

 

ICCAT(Introduction to Community Climate Action Training):
米国pachamama allianceが喫緊の気候危機の状況を受け、オンライン・オフラインハイブリッドでローンチした気候危機へのコミュニティアクショントレーニングです。
パチャママアライアンスのGCIコースから2020年の4月にパイロットのオンライン気候変動アクションコースPathway to reverse global warmingがスタートし、英語版のGCIでもモデレーターなどやり関わりの深い野田が日本人で唯一参加しました。当時野田はフィリピンのセブ島に住んでいましたので、日本の気候変動対策に関与することは現実的ではありませんでしたが、pachamama allianceのスタッフのMaisaからの献身的なコーチング的サポート、日本のセブンジェネレーションズの代表理事野崎あずみ、元理事マモさんの精神的サポートで、パチャママアライアンスが推薦団体として挙げているCitizens’ Climate Lobbyの日本支部を作るという成果に結びつきました。その後2020年9月にPathwayをより拡張したオンライン気候アクショントレーニングのパイロット版がスタートし、5名の日本人で参加、2021年4月期から正式にIntroduction to Community Climate Actionトレーニング(コミュニティ気候アクショントレーニング)として日本で開催されています。
英語版ICCAT紹介ページ:https://www.pachamama.org/engage/action-trainings
日本語版ICCAT紹介ページ:https://sevengenerations.or.jp/%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3%E6%B0%97%E5%80%99%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0/

 

CCL Japan:
Citizens’ Climate Lobbyは米国で2008年に創設された草の根国際気候変動ロビーNGOです。世界60カ国約600支部で20万人のボランティアが気候変動対策のロビー活動を展開しています。CCL自体は上記GCIのコンテンツの中で長らく紹介されていたものの、日本で実際に活動を開始する者はおらなかったようです。2020年に野田がPathway to reverse global warmingコースに参加し、Pachamama AllianceのMaisa Ariasと、セブンジェネレーションズの野崎あずみ、関口まもるのサポートの元、フィリピンセブ島から遠隔で日本の気候変動対策にアクションを出来るソリューションが、CCL Japan活動のスタートでした。
そのため、当時(2020年6月)コロナのパンデミック化で時間のあった上記GAIAジャーニー参加者の日本人(日本国内在住および海外在住)と集中的にミーティングを持ち、CCLの北米およびインターナショナルの研修を受け、日本での活動を開始しました。
現在は、当初メンバーからコアメンバーも一巡し(当初は気候変動に知識はないもののその意義は感じている時間的余裕のあるメンバー。現在は、気候変動への活動を行っているエキスパート的メンバーが多く、その連絡会的コアグループとなっている)第2期的色合いとなっている(2022年4月現在)

 

 

ゼロエミ横浜:
2020年から21年にかけ、野田はゼロエミッションを実現する会東京が発足したことを知っていた。そして当時、CCL-Japan第1期(正確には第1.5期)のコアメンバーであった河合きら由恵が2019年に東京で開催されたCRP(Climate Reality Project: アル・ゴア元副大統領の気候危機プログラム)でゼロエミ東京発起人のグリーンピースジャパン鈴木かずえと同席であったため、よく話を聞いていたというのもある。さらにCCLで第2期のコアメンバーとなる戸田美紀(熱帯雨林研究者、ゼロエミ東京港区)ゆまいあきこ(英語講師、ゼロエミ東京文京区)が各地で力強い草の根ローカル活動を繰り広げていたためその話を聞いていたというのもある。
その中、野田が2020年11月末にフィリピンから日本の横浜に帰国し、生活の落ち着いた2021年8月に当時発足していなかったゼロエミッションを実現する会の横浜在住のメンバーに一斉連絡をし、活動がスタートした。

CPA(Climate Psychology Alliance) Japan:
日本に帰国し2021年から気候変動周りの活動をする中で、2020年の中学生世代の女子の自殺率の増加のレポート、日本の若年層における気候不安、子供を産まない選択、活動家のバーンアウト等の情報が入ってきた。そこで、野田はネットを検索し、世界で有用な活動、情報として気候心理学アライアンスの活動を知った。本部は英国で、野田が2010年代初頭、コーチング心理学の輸入を手伝った時と同じ心理学・精神医学のコミュニティが気候危機にも対処していたため、アライアンスのトップのJudith Anderson精神医学博士と連絡を取り、日本における活動スタートの協議を行った。残念なことに、日本においては気候変動において活動している市民の総数が少なすぎ、下記の気候コーチングと同様2つの分野のクロスセクション(重なり集合)となると興味を持てる背景知識のある人の人数も非常に少なくなり、まだ活動は始まっていないに等しいが、日本における連絡係としてその機能を話している

CCA(Climate Coaching Alliance) Japan:
これは上記CPAの発足の連絡をしている中で知った既に日本で別の方が連絡をとっていた活動です
CCAはコーチング心理学ハンドブックを編集したスティーブンパーマー博士の同僚のアリソン・ワイブラウ博士が創設した気候危機に対応するコーチの国際団体です。残念ながらワイブラウ博士は2022年に病気で逝去されてしまいましたが、野田は2021年の後半にCCA本体、およびCCA-Japan発足チームのメンバーと出会い、緊密に活動しています

 

 

JANIDA:
特定非営利活動法人NGO日本アフリカ国際開発の英語名である。この団体も奇妙な縁で野田が関わることとなった。野田は2016年からフィリピンネグロス島ドゥマゲテ市地域で体験学習型英語学校を運営する中、いわゆるSDGsにおける開発と貧困の問題に興味をもって取り組んでいた。これは2011年の東北大震災以降、野田が興味を持って追っていたテーマの一つでもある。野田自身は先進国のなんの不自由もない家庭に育ったが、生育の中でエチオピア大飢饉におけるUSA for Africaキャンペーン(小学校6年時)は知っているし、理系の大学の卒業時にも何も知らないにも関わらず海外青年協力隊のパンフレットを大学院進学の進学候補と合わせて取り寄せるというようなメンタリティも持ち合わせていた。世間知らずではあるが未知の科学と世界の困難には心が響いていたようである。さて、上記GCIやUlab1xなどに参加しながら、自身もU理論に基づく社会課題解決のラーニングジャーニーを開催する中、様々な世界視察(南太平洋、アセアン、中東、アフリカ)を2017-18年に行った。その中で行ったルワンダとブルンジで知り合った友人と共に、2020年にPresencing Instituteの実施するUbuntu Lab.という汎アフリカプログラムの第2期に参加し、ファンドレイジングも行いプロジェクトを実施した。残念ながら2020年から21年にかけてのプロジェクトでは事前調査のみで実際の開発援助プロジェクトには至らなかったが、その代わり、その活動から野田が東アフリカのプロジェクトで活動していることを知った友人がJANIDAの発起人のウガンダ人ブケニャを紹介し、2021年度よりJANIDAの理事を務めるに至った。JANIDAは2021年度にウガンダオフィスも開設し、ウガンダ内および東アフリカで活動を行うNGOである。